笠寺観音(名古屋市南区)で御朱印を授かりました。玉照姫と藤原兼平が結ばれたエピソードから、縁結びのご利益で知られるお寺です。
- 御本尊:十一面観世音菩薩
- ご利益:厄除け、健康、商売繁昌、縁結び
- 宗派:真言宗智山派
- 縁日:18日(観音さま)、28日(お不動さま)
- 札所など:尾張三十三観音(東海百観音)第3番、東海三十六不動尊第15番、なごや七福神大黒天、名古屋二十一大師第16番、尾張四観音

霊場札所がいっぱい。長く親しまれているお寺であることが、よく分かります
笠寺観音は子供のころ、祖父母と一緒にお参りしたことのある、思い出の地。懐かしさを感じながらの参拝となりました。この記事には、
- 笠寺観音の御朱印
- 御朱印の頂き方(時間など)
- 境内の様子や見どころ
といった情報をまとめておきますね。まずは笠寺観音で授かった御朱印から紹介します。
目次(もくじ)
笠寺観音で頂いた御朱印【4種類】
1.本尊(大悲閣)の御朱印
まずは本尊・大悲閣の御朱印です。墨書き(日付のスタンプ含む)は以下の4要素。
- [右上]奉拝(謹んで参拝いたしました)
- [右下]参拝日(令和元年八月弐日)
- [中央]大悲閣
- [左]笠寺観音

大悲閣はご本尊が祀られている本堂の名前だと思われます
そして印影(=朱印を押した跡)は、以下の3要素でよろしいかと。
- [右上]尾張四観音ノ一/尾張三十三観音三番/名古屋二十一大師十六番
- [中央]梵字(キャ)と蓮
- [左下]天林山笠覆寺之印
御朱印の見方(=何が書いてあるのか)について、神社とお寺それぞれの具体例をあげながらまとめました。御朱印初心者の方の参考になれば幸いです。

中央の印影は、十一面観音を表す梵字”キャ”ですね。梵字の下には十一面観音の三昧耶形(仏を表す象徴物)であるハスも見えます。
黄色いアンダーラインを引いた、尾張四観音についても補足しておきますね。
【補足】尾張四観音とは?
尾張四観音で頂いた御朱印たち
尾張四観音とは、尾張地方で古くから信仰を集めてきた、観音様をご本尊として祀る4つのお寺のこと。
名古屋城を中心として見たときに、その年の恵方にある尾張四観音は「恵方の観音様」として、初詣の人気スポットになっています。

複雑なイメージのある恵方ですが、実は4方位しかありません。以下に早見表をのせておきますね
西暦の下1ケタ | 恵方 | お寺 |
---|---|---|
1・6 | 南南東 | 笠寺観音 |
2・7 | 北北西 | 甚目寺観音 |
3・8 | 南南東 | 笠寺観音 |
4・9 | 東北東 | 龍泉寺観音 |
5・0 | 西南西 | 荒子観音 |
※尾張四観音の御朱印まとめ記事を、以下にご用意しています
尾張四観音(笠寺観音・甚目寺観音・荒子観音・龍泉寺観音)で授かった御朱印をまとめました。尾張地方で信仰を集める、観音様が本尊の4つのお寺です。
【+α】尾張三十三観音の御朱印帳にも頂きました
こちらにはハッキリと”本尊十一面観世音菩薩”の文字が
笠寺観音は、尾張三十三観音(東海百観音)霊場の第三番札所。ということで、専用の納経帳にも朱印を頂いております。朱印料は100円です。
専用の納経帳(御朱印帳)が上の写真。先ほど登場した尾張四観音の1つ・龍泉寺(守山区)で600円で授かりました。
2.不動明王の御朱印
2種類目は不動明王の御朱印です。墨書きの文字は大聖不動尊。中央には不動明王を表す梵字(カーン)も見えます。
そして、御朱印右上の印影にあるとおり…
【+α】東海三十六不動尊の御朱印帳にも頂きました
笠寺観音は東海三十六不動尊霊場の第十五番札所でもあります。専用の納経帳(御朱印帳)にも朱印を頂きました。朱印料は100円です。
東海三十六不動尊霊場納経帳。ちょっと豪華な造り
上の専用納経帳は、大須観音(中区)で1500円で拝受しましたよ。霊場巡りに関するまとめ記事も、追々作成しますね。
3.えびす神の御朱印
3種類目は、えびす神の御朱印です。中央に鯛が見えますね。縁起の良さそうな御朱印だぁ。

笠寺観音と同じ、”真言宗智山派&なごや七福神巡り霊場”である萬福院(中区)の御朱印帳に記帳していただきました
はい。御朱印の右上に印影がありますね。お察しのとおり…
【+α】なごや七福神めぐりの御朱印帳にも頂きました
ご利益は”商売繁昌”。”釣り上げし魚を宝と抱きしめて 笑う恵比須の神の御威徳”の御詠歌も
笠寺観音は、なごや七福神めぐりの恵比須霊場。こちらも専用御朱印帳に朱印を頂きましたよ。朱印料は100円です。
専用の御朱印帳(宝印帳)が上の写真。大須観音で1000円で拝受しました。七福神の霊場を以下にまとめておきますね。
ちなみに笠寺観音では、1月5日に初えびすが行われるとのこと。お寺のおもなお祭り(年中行事)を以下にまとめておきますね。
「六の市」の案内看板
- 1月1日~7日:初詣・新春初祈祷(露店あり)
- 1月5日:初えびす(露店あり)
- 1月18日:大縁日初観音(フリーマーケット開催)
- 2月3日:節分会(豆まき・露店多数出店)
※2月2日に前夜祭あり - 4月5or6日~8日:花まつり(潅仏会)
- 7月第2日曜日:仏壇供養祭
- 8月9日:九万九千日(夜店多数出店)
※笠寺納涼夏祭りも同時期に開催 - 12月31日:大晦日(11:45~除夜の鐘・夜店あり)
- 毎月6のつく日:青空市(六の市)開催
※笠寺観音公式サイト、現地で頒布のリーフレットをもとに作成
4.弘法大師の御朱印(名古屋二十一大師)
左上には霊場再興五十周年の特別な印影も
4種類目は弘法大師の御朱印。ただし納経所の掲示内容から察するに、こちらの御朱印は積極的には押し出していない様子でした。
続けて紹介する、名古屋二十一大師の霊場巡りをされている方向けといった感じです。
【+α】名古屋二十一大師の御朱印帳にも頂きました
笠寺観音は名古屋二十一大師霊場の第十六番札所。ご多分に漏れず、専用納経帳にも朱印を頂いております(朱印料100円)。

札所がいっぱい。快く朱印&記帳を受け付けてくださったお寺の方に感謝です

巡礼マップ付きなのがうれしい!地図や由緒が載っているんです
上が名古屋廿一大師の専用納経帳です。大須観音で700円で拝受しました。満願なり次第、まとめ記事を作成しますね。
引き続き、笠寺観音での御朱印のもらい方(僕がお参りしたときのこと)を書き留めておきます。
笠寺観音での御朱印の頂き方
笠寺観音の境内風景。左上から時計回りに、標柱&山門遠景、山門(仁王門)、水かけ地蔵(手水舎)、仁王像です
- 受付場所:納経所(本堂内)
- 御朱印代(価格):300円
- 開堂時間:朝8時から夕方4時
1つずつ簡単に補足しますね。
受付場所:納経所(本堂内)
笠寺観音の御朱印は、本堂内右の受付で頂きました。御札やお守りの取り扱いもありましたし、祈祷や供養の申し込みも同じ場所でよろしいかと。

おみくじも自動販売機のようなカタチで本堂内に設置されていました

本堂内には”おもかる地蔵”も。六体並んでいたのですが、真ん中の二体がメチャメチャ重かった…。お参りの際はぜひお試しを。
※”おもかる地蔵”や”おもかる石”のあった神社仏閣を以下の記事にまとめています名古屋やその周辺で「おもかる石(重軽石)や重軽地蔵」のあった神社やお寺を一覧にしてまとめました。神社仏閣巡りの際に参考にしていただければと。
御朱印料(金額):300円
笠寺観音の境内風景その2。左上から時計回りに、善光寺堂、笠寺稲荷、教え地蔵&学び地蔵、弁財天&白龍社です
御朱印料(値段)は一体300円。
お参り前に小銭を作りたい(お札を崩したい)場合、境内のすぐ北にセブンイレブンがありましたよ。ご参考までに。
開堂時間:朝8時から夕方4時
笠寺観音の東門。本笠寺駅から歩くと最初に見えるのがこの門です
笠寺観音の公式サイトには、本堂の開堂時間に関する以下の記載があります。
*朝8時~夕方4時まで開堂(お札・お守り授与、朱印、各種申込み、お問い合わせ等はこの時間内に承ります)
ということで、午前8時から午後4時のあいだにお参りすれば、まず間違いなく御朱印を授かれそうですね。

僕は平日の15時ごろにお寺に到着。のんびり境内を散策していたら、閉堂時間が迫っていたので、急いで受付に伺いました(笑)
引き続き、縁結びのご利益について、笠寺観音の由緒(歴史)に絡めながら触れておきます。
【縁結びのご利益】笠寺観音の由緒を見てみよう
上の画像は「玉照姫・藤原兼平夫妻を祀るお堂」と「結びの柱」。
雨でずぶ濡れになっていた観音様に自分の笠をかぶせた心優しい玉照姫を、鳴海に来ていた都の貴族・藤原兼平が見初めて妻としたのが「笠寺」の始まりなんだそうです。

日本版シンデレラといった感じでしょうか。また「結びの柱」は、穴の中で大切な人同士で手をつなぐとイイんだとか。ロマンチックが止まらない
笠寺観音が縁結びのご利益で有名なのも、玉照姫・兼平公夫妻のエピソードが大いに関連しているというワケですね。お寺の由緒(歴史4部作)を以下に載せておきます。
【1】お寺の開基
- 天平5年(733年):呼続の浜辺に流木が漂着。夜な夜な不思議な光を放つ
- 夢のお告げを受けた善光上人が、漂木から十一面観世音菩薩の尊像を造る
- 粕畠(今の笠寺から650mほど南)に堂を建立&観音様を安置し、天林山小松寺と名付けた(寺の開基)
【2】「笠寺」の始まり
- 建立から数百年を過ぎ、小松寺の堂は荒れ果て、御本尊も風雨にさらされたままに
- 鳴海のお金持ちにこき使われていた女性が、雨でずぶ濡れになっていた観音様に自分の笠をかぶせた
- 後日、鳴海に寄った都の貴族・藤原兼平がその女性を見初め、妻として迎えることに(後の玉照姫)
- 夫婦で現在地にお寺を復興、笠覆寺に改める(笠寺の地名の起こりにも)
【3】再び荒廃、阿願上人による中興
鐘楼。安置の梵鐘は尾張三名鐘の1つとのことです
- お寺が再び荒廃してしまう
- 嘉禎4年(1238年・鎌倉時代):阿願上人の発願により、お寺が旧観を取り戻す
- この時造られた梵鐘は「尾張三名鐘」の1つに(現在は鐘楼に安置・愛知県指定文化財)
【4】近代(政識和尚による境内整備など)
政識和尚像
- 江戸~明治に建物や宝物などが散逸&第二次世界大戦後は境内の松の木も伐採される
- のちの住職・政識和尚が托鉢などで浄財を集め、本堂の修繕などに努める
- 住職になってからも、鉄道整備に伴う墓地受け入れのための境内利用を認めるなど奮闘
- 平成~令和にかけて笠寺観音再整備事業を行なう
※笠寺観音公式サイト、現地で頂いたリーフレットをもとに作成
さて、宿泊施設の広告を挟んで、ココまでに載せきれなかった笠寺観音の境内風景(見どころ・画像3枚)をお届けします。
広告は、僕が名古屋観光する立場なら、ココに泊まるかなぁという「ベッセルホテルカンパーナ名古屋」。立地・料金・口コミ評価のバランスが決め手ですね。
【画像3枚】笠寺観音の境内風景をお届けっ
3枚と言いつつ、1枚の画像に4つの見どころを詰め込むスタイルでいきます。
1枚目は境内の諸堂などその1。遠目からだと見た目が似ている…。それぞれ以下のとおりです。
- [左上]行者堂
役行者が祀られています。片山神社(東区芳野)を開基したのも役行者(役小角)でした - [右上]延命地蔵堂
お釈迦さま亡き後、遠い未来に弥勒菩薩がブッダとなって世に現れるまでのあいだ、僕らを救ってくれるのが地蔵菩薩なんだとか。左脇には暁台塚も - [左下]白山社
白山大権現を祀る社。「見ざる聞かざる言わざる」の三猿も祀られていました - [右下]六地蔵堂
僕らの苦悩を救おうとしている六道(6種)のお地蔵様。六道について簡単にまとめたモノを以下に載せておきます
- 地獄道:罪悪を犯すことによって受ける責め苦
- 餓鬼道:貪欲や嫉妬によって引き起こされる苦しみ
- 畜生道:自分を反省しようとしない愚かさによって受ける苦しみ
- 修羅道:争って、他者を打ち負かそうとする事によって受ける苦しみ
- 人間道:身体と生活にまつわる苦しみ
- 天道:快楽に満たされても、必ずそれを失う苦しみ
※六地蔵堂の掲示をもとに作成

2枚目は境内の諸堂などその2です。それほど広い境内ではないのですが、じっくり見て回った結果、1時間ほど滞在していました。
- [左上]如意輪堂(那智山)
青岸渡寺(和歌山県那智勝浦町)と同じ如意輪観音を祀っています。この地方では虫歯の痛みを和らげてくれるという言い伝えがあるそう

児ノ口社(豊田市久保町)の由緒に”虫歯速やかに治る”とあったのを思い出しました
- [右上]医王殿(薬師堂)
薬師如来が祀られています。病気を治して心身の健康を守ってくれる仏様ですね - [左下]寺紋
かわいい笠のマーク。玉照姫&兼平夫妻のエピソードにちなんでいるのでしょう - [右下]名古屋十名所石碑
大正13年8月に、新愛知新聞社(今の中日新聞の前身)が選定した十名所の1つが笠寺観音なんだとか。以下に残りの9つも挙げておきます
![笠寺観音の境内見どころ(人質交換之地石碑・宮本武蔵之碑・芭蕉句碑[笠寺千鳥塚・春雨塚])](https://goshuin-dash.jp/wp-content/uploads/2019/08/4bbf74da6c046d73f9a94bde695a3c59.jpg)
最後3枚目は、歴史上の偉人関連の見どころを集めました。いやぁ盛りだくさんだ。
- [左上]人質交換之地石碑
笠寺観音で徳川家康と織田信広との人質交換が行われたとのこと。信広は織田信長の異母兄です - [右上]宮本武蔵之碑
詳細は分からず。気になる…。とはいえ僕は吉川英治歴史時代文庫を一通り読んだくらいで、宮本武蔵についての知識をあまり持ち合わせておりません(笑) - [左下]芭蕉句碑1(千鳥塚)
“星崎の闇を見よとや啼千鳥“と刻まれています。訳は”星崎の闇を見ろと言っているのか、千鳥がさかんに鳴き立てている”かな(参考:芭蕉全句集) - [右下]芭蕉句碑2(春雨塚)
現地ではほとんど文字が読めず。名古屋市のページによると”笠寺やもらぬ岩屋も春の雨“と刻まれている模様

芭蕉句碑のあった神社仏閣を以下の記事にまとめてあります。「笠寺や…」の訳についても関連記事からどうぞ
僕がお参りした神社仏閣にあった芭蕉句碑(松尾芭蕉の俳句が刻まれた石碑・芭蕉塚)を、都道府県別にまとめてあります。マップ(地図)も載せていますよ。
旅行関連の広告を再度挟んだのち、笠寺観音の基本情報(アクセス・駐車場の場所など)を載せて記事を締めますね。
広告はバスツアーでお馴染みのクラブツーリズム。「御朱印」で検索したところ、226件のツアーが該当しました(記事執筆時点)。充実してるなぁ!
笠寺観音のアクセス・駐車場の場所など
・住所:愛知県名古屋市南区笠寺町上新町83
・電話:052-821-1367
・公式サイト:笠寺観音 天林山笠覆寺
・アクセス
- 本笠寺駅(名鉄名古屋本線)から徒歩3分
- 笠寺駅(JR東海道本線)から徒歩14分
- 鶴里駅(地下鉄桜通線)2番出口から徒歩17分
- 笠寺西門バス停(市バス)からすぐ

名古屋駅から向かう場合は名鉄の普通電車に乗るのがオススメ。7駅15分で本笠寺駅に到着します。運賃は300円かと
・駐車場:あり(無料)
中央左に見えるのが本堂の屋根です
境内南東から進入できます。初めてだと場所が分かりづらいかも。環状線から向かうルートを以下に載せておきますね。
「笠寺西門北(A)」の信号交差点からグルリと回り込むカタチになります。B地点が駐車場です
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平日に参拝したこともあってか、境内は非常に落ち着いた雰囲気。
忙しさで凝り固まっていた僕のココロが、ゆっくりほぐれていくのを感じました。良いお参りができました!
富部神社(とべじんじゃ)で授かった御朱印と御朱印帳
笠寺観音の近くで御朱印を授かれたのは富部神社(徒歩11分)。戸部蛙デザインの美しい御朱印帳も拝受しましたよ。詳しくは以下の記事をどうぞ。
富部神社(名古屋市南区)で御朱印と御朱印帳を授かったので、もらい方や境内の様子とともに記事にまとめました。御朱印は毎月絵柄(印影)が変わります。

そして、富部神社には長楽寺も隣接しています。尾張三十三観音第四番札所&動物霊園としても有名なお寺です。
稲荷山長楽寺(愛知県名古屋市南区)で御朱印を授かったので、もらい方(場所など)や境内の様子とともに記事にまとめました。動物霊園で有名なお寺です。
※お寺の名前をタップすると、サイト内の御朱印記事に飛びます

まとめ記事(マップ付き)へのリンクも、もう一度以下に載せておきますね
尾張四観音(笠寺観音・甚目寺観音・荒子観音・龍泉寺観音)で授かった御朱印をまとめました。尾張地方で信仰を集める、観音様が本尊の4つのお寺です。
名古屋市の御朱印一覧
名古屋市の御朱印をエリア別に紹介しています。御朱印巡りにご活用いただければ幸いです。
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