なごやっくす(Twitter@goshuin_dash)です。
御朱印の見方(=御朱印には何が書いてあるのか)について書きました。

御朱印の内容を理解していないと、楽しみはもちろん、得られるご利益や功徳も半減してしまいそうですもんね。

御朱印の見方(御朱印には何が書いてあるの?)

かくいう僕も、御朱印巡りを始めた当初は、

ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

参拝した証に御朱印をありがたく頂戴する!以上!

という感じで満足していましたが、いろいろな神社やお寺で御朱印を授かるようになって、

ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

へぇ~、御朱印にはこんなコトが書かれているんだ

と、改めてその奥深さに気づかされた次第です。

御朱印と御朱印帳
授かった御朱印の一部です。失礼を承知で写真を撮るために重ねました。普段は大切に保管しております

  • 初心者だから御朱印に何が書いてあるのか知りたい!
  • 墨書きや印影の文字が読めないから手がかりが欲しい…

といった疑問は、今回の記事を読めばきっと解決できるかと!

ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

神社とお寺、両方の御朱印を例に出してわかりやすく解説していきますね

まずは、時間がないならコレだけ見ておけばOK!という全体像(概要)をお見せします。

>>御朱印とは【もらい方】


ひと目でわかる御朱印の見方

神社の御朱印の見方がこちら。

■ 神社の御朱印の見方

御朱印の見方(神社)まとめ

【墨書き】

  1. 奉拝:「謹んで参拝いたしました」という意味
  2. 神社の名前:ユニークな書体の神社も
  3. 日付:思い出を振り返るときにも重宝します

【朱印(印影)】

  1. 神社の名前:篆書(てんしょ)が基本です
  2. その他(社格・神紋・モチーフなど)

そして、お寺の御朱印の見方がこちらです。

■ お寺の御朱印の見方

御朱印の見方(お寺)まとめ

【墨書き】

  1. 奉拝:こちらも「謹んで参拝いたしました」の意
  2. 日付:右下に書かれることが多いです
  3. ご本尊やお堂の名前:サンスクリット(梵字)が使われることも
  4. お寺の名前:左下に書かれることが多いです

【朱印(印影)】

  1. 御宝印:サンスクリット(梵字)や三宝印
  2. お寺の名前:山号がココに入る場合も
  3. その他(お寺の宗派・札所の番号・お寺の説明など)

続いてさらに詳しく、神社とお寺それぞれの御朱印の見方を説明していきますね。

ぼく(なごやっくす)
まずは神社の御朱印からいきます

神社の御朱印の見方

御朱印の見方(神社)まとめ

例に出しているのは、三河国一宮・砥鹿神社(愛知県豊橋市)の御朱印です。寺社名をタップするとサイト内の御朱印記事に飛びます(以降も同様です)

おさらいになりますが、御朱印は以下の2つの要素から成り立っています。

  • 墨書き(神職さんが筆で書いてくださるもの)
  • 朱印

それぞれに分けて説明しますね。まずは墨書きから。

神社の墨書き

御朱印の見方(神社・墨書き)

墨書きは番号を振った3つの要素を覚えればOKです。

  1. 奉拝
  2. 神社の名前
  3. 日付

1つずつ順番に説明します。

奉拝

「奉(ホウ)」という漢字には「つつしんで行なう」という意味があります。

奉(ホウ)

ですので「奉拝」の二文字では「謹んで参拝いたしました」ということになりますね。

ぼく(なごやっくす)
僕らの行為(=参拝/奉拝)を神職さんが代筆してくださっているということでしょうか

なお神社によっては「奉拝」ではなく「参拝」と書く場合もあります。

神社の名前

そして中央に書かれるのは神社の名前。

ユニークな書体で書いてくれる神社もあります。例えばこちら。

鶴羽根神社の御朱印

広島駅から徒歩10分の場所に鎮座する、鶴羽根神社の御朱印です。「鶴(ツル)」の漢字が本当に鶴になっていてかわいい。

神社名がない場合も

なお、神社名の墨書きがないところもあります。

熱田神宮の御朱印(御神印)

代表的な神社では、伊勢神宮熱田神宮(上の写真)あたりが該当しますね。

参拝日

そして最後は日付。参拝した日にちを書いていただけます。

  • 二十 → 廿
  • 三十 →

と珍しい漢字で書いてくれる神社もありますよ。

ぼく(なごやっくす)
旅の思い出を振り返るための、イイ材料(きっかけ)にもなってありがたいですね

続いて、朱印(印影。印章を押した跡のこと)の説明に移ります。

神社の朱印(印影)

御朱印の見方(神社・朱印印影)

朱印(印影)については、以下の2つを頭に入れておきましょう。

  1. 神社の名前
  2. その他(社格や神紋など)

1つずつ説明します。

神社の名前

まずは神社の名前(社名印)。篆書(篆刻・篆文)によるものが多いです。

ぼく(なごやっくす)
篆書(てんしょ)というのは、昔の中国で使われていた書体のこと。パスポートの表紙や会社印などでもよく見かけますよね

例にあげている砥鹿神社は比較的読みやすいのですが、神社によっては解読するのが難しいケースも。例えばこちら。

愛知県護国神社の御朱印

「愛知県/護国/神社」と三行に分かれているのですが「愛」の字が難しいんですよね。

実はコレ、漢字の成り立ちを学ぶと理解できるのですが…スミマセン、本題から外れるのでココでは割愛します。

ぼく(なごやっくす)
詳しくは、以下の記事の中で解説していますよ

「之」と「印」がポイント

ちなみに、以下の2パターンの御朱印(篆刻)も多いんです。

  • (神社名) +「之印
  • (神社名) +「

ですので「之」と「印」の篆書は、今覚えておくと便利かと。下の石作神社(愛知県長久手市)の御朱印が分かりやすいかな。

石作神社(長久手)の御朱印

「石作神/社之印」と二行に分かれています。”之”と”印”の部分をアップにするとこんな感じ。

御朱印の篆刻(之印)

ぼく(なごやっくす)
ひっくり返したり、横にしたりしてみると、おぼろげながら元の漢字(之と印)が見えてくるはず!

コレで大部分の朱印の文字(篆刻)が理解、もしくは推測できるはずですよ。

その他

そして神社名以外の朱印は、神社によってさまざまですね。

代表的なモノを3つあげておきます。

  1. 社格など
  2. 神紋(社紋)など
  3. モチーフなど

具体例をあげながら簡単に説明しますね。

社格など

砥鹿神社の御朱印

砥鹿神社の場合、右上に「三河国一宮」の印影がありますね。

ほかにも「備前岡山総鎮守(右下)」などと、神社の役割を示す印影だったり…↓

岡山神社の御朱印

岡山神社(岡山市北区)の御朱印

あるいは「岡崎三郎信康公御首塚(右上)」などと、境内の名所(見どころ)を教えてくれる御朱印もありますよ。↓

若宮八幡宮(岡崎)の御朱印

若宮八幡宮(愛知県岡崎市)の御朱印

そして、岡山神社の御朱印の中央上にも押されていたのが…

神紋など

櫛田神社の御朱印

神紋(社紋)を押してくれる神社もあります。

上の御朱印は「三つ盛り亀甲に五三の桐」の紋が(右上に)押された櫛田神社のモノです。

ぼく(なごやっくす)
「博多総鎮守」の文字も墨書きされていますね。繊細な筆遣いがたまりません

モチーフなど

最後はモチーフなど。具体例を3連発で紹介してお寺の御朱印の見方に移ります

まずは飛行機のスタンプ(青印?)が押された、泉州航空神社(大阪府泉佐野市)の御朱印。子供が喜びそう!

泉州航空神社(大阪飛行機神社)の御朱印

続いて、菅原道真公の肖像画が押された桜天神社(愛知県名古屋市)の御朱印。

桜天神社の御朱印

ぼく(なごやっくす)
よく見ると道真から出ているオーラが「さくら」の文字になっています

そして最後は写真入りの珍しい御朱印。愛知県長久手市・景行天皇社のモノです。

景行天皇社(長久手市)の写真入り御朱印(棒の手)

いやぁ、神社によって個性があって面白いですね。引き続き、お寺の御朱印の見方に移ります。

ぼく(なごやっくす)
基本的には神社と同じですので、復習も兼ねつつお読みいただければと思います

お寺の御朱印の見方

御朱印の見方(お寺)まとめ

※例に出しているのは、大須観音(名古屋市中区)の御朱印です

お寺の御朱印(納経印)も、以下の2つの要素から成り立っている場合がほとんど。

  • 墨書き
  • 朱印

神社と同じように、墨書きのほうから説明していきます。

お寺の墨書き

御朱印の見方(お寺・墨書き)

ココで説明するのは、番号を振った4つの要素。

  1. 奉拝
  2. 日付
  3. ご本尊やお堂の名前
  4. お寺の名前

1つずついきますね。③以外はサクッといきます!

奉拝

奉拝については神社と同じ。「謹んで参拝いたしました」という意味でしたね。

参拝日

続いて日付。お寺の場合、右下に書かれることが多いです。

ご本尊やお堂の名前

中央には、ご本尊や(ご本尊が祀られている)お堂の名前が書かれます。

例にあげた大須観音の御朱印をもう一度見てみましょう。

大須観音の御朱印(種類大悲殿)01

中央に書かれているのは四文字で、下の三文字が「大悲殿」。ご本尊である聖観音が祀られているお堂(本堂)の名前です。

ぼく(なごやっくす)
最初は解読するのが難しいかもしれませんね。僕もそうでした

そして一番上の文字は、サンスクリット(梵字)で聖観音を表す「サ(sa)」という文字です。

聖観音(サンスクリット・梵字)

つまり大須観音の御朱印には、

  • ご本尊の名前(स/聖観音)
  • お堂の名前(大悲殿)

この両方が墨書きされているということですね。

日蓮宗の墨書き

國前寺(広島)の御朱印(御主題)

國前寺(広島市東区)の御主題

なお日蓮宗のお寺の御朱印(御主題)の場合、中央には「南無妙法蓮華経」と書いていただけます。

なむみょうほうれんげきょう【南無妙法蓮華経】

妙法蓮華経に帰依する意。法華経信仰の中で唱えられるようになり、日蓮宗では三大秘法の一つ「本門の題目」とする。題目。七字の題目。御題目。

広辞苑 第七版(新村出,2018,岩波書店)

法華経の教えに帰依する(全身全霊で信じる)という意味ですね。

お寺の名前

そして左下にはお寺の名前。先ほどの國前寺の御朱印(御主題)のように、山号が書かれている場合もあります。

ぼく(なごやっくす)
なお日蓮宗では、御主題と呼んで区別しています

墨書きについてはココまで。続いては、朱印(印影)についてですね。

お寺の朱印(印影)

御朱印の見方(お寺・朱印印影)02

お寺の朱印(印影)については、番号を振った3つの部分に注目してみましょう。

  1. 御宝印(梵字など)
  2. お寺の名前
  3. その他(宗派など)

1つずつ説明しますね。

御宝印

おもなサンスクリット(梵字)01

中央には御本尊を表すサンスクリット(梵字)の朱印が押されることが多いですね。

例にあげた大須観音の御本尊・聖観音(स/サ)以外の、おもなサンスクリット(梵字)を上にのせてみました。

ぼく(なごやっくす)
このあたりは僕もまだまだ勉強中です。体系立ててまとめられるようになったら別で記事を書きますね

ちなみに、禅宗の寺院などでは三宝印が押されることもあります。補足として説明します。

三宝印(仏法僧宝)について

臨済宗曹洞宗といった禅宗の寺院などでは、中央に三宝印が押されることもあります。こんな感じ。

十一面観音の御朱印(大須万松寺)

大須万松寺(名古屋市中区)の御朱印。なお万松寺は単立寺院です

三宝印の「三宝」とは仏教で重んずる、以下の3つの宝物のこと。

  1. 仏(旧字:佛)
  2. 法(旧字:灋)

これに「宝(旧字:寶/寳)」を加えた”仏法僧宝”の四文字の朱印が真ん中に押されるというわけですね。

お寺の名前

そして左下には、お寺の名前の印(寺印)が押されることが多いです。

大須観音の御朱印(種類大悲殿)01

↑大須観音の御朱印をまたのせましたが、左下に「大須観音/寶生院印」の印影が見えますね。

ぼく(なごやっくす)
山号がココにつく場合もあります

その他

右上に押される朱印はさまざまで、大須観音の場合は「真言宗智山派 別格本山」と宗派やお寺の位置づけが。

それから霊場巡りをする場合は、例えば、

  • 尾張三十三観音 名古屋廿一大師 第一番札所

といった感じで、札所の番号印を入れてもらえたりします。

十一面観音の御朱印(大須万松寺)

↑また、こちらは先ほどの万松寺の御朱印ですが、右上の印影に注目すると、

  • 織田信長公父信秀公菩提所
    初代尾張藩主正室春姫菩提所

こんな感じで、お寺の説明が入る場合もありますね。

少し長くなったので、大事なところだけ、ピンポイントでおさらいしましょう!

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。
今回は御朱印の見方について紹介してきました。

  • 御朱印は「墨書き」と「朱印」から成り立っている
  • 墨書きの基本は「奉拝・寺社名・日付」
  • 朱印については「寺社名(お寺の場合はご本尊も)+α」

コレだけ覚えておけば、基本的にはどんな御朱印をもらっても何が書いてあるのか推測することが可能かと。

ぼく(なごやっくす)ぼく(なごやっくす)

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