山神社・お福稲荷・白龍社(名古屋市北区)

別小江神社わけおえじんじゃでかわいいカラフルな御朱印を四体授かったあと、歩いて5分ほどの“お福稲荷”にお参りしました。

ぼく(なごやっくす)
別小江神社の公式Facebookページによると、お福稲荷は兼務社のようです

山神社・お福稲荷・白龍社(名古屋市北区)

社務所(写真左)で由緒書きを頂くことができました。ありがたい!なお御朱印はなさっておられないとのことです

小さな山の中に、山神社・お福稲荷・白龍社の三社がバラバラに鎮座しており、境内はまるで迷路のよう

ぼく(なごやっくす)
昔はココで、子供たちが鬼ごっこしてたのかなぁ

などと想像しながら、楽しくお参りさせてもらいましたよ。この記事に、神社の様子と由緒(歴史など)を簡単にまとめておきます。

まずは、名前が印象的な”お福稲荷”から紹介しますね。


お福稲荷:宝珠型の”おもかる石”がありました

お福稲荷神社(名古屋市北区)

■ お福稲荷

  • 御祭神:たまのおおかみ 他4神
  • 初午祭:二の午

お福稲荷は山の一番奥に鎮座していました。狛狐の人相(狐相?)が悪いのが印象的でしたね。こんな感じ。

お福稲荷(名古屋市北区)の狛狐

とくに右のキツネが怖かった…

お福稲荷の創建年代は不明ですが、愛知縣神社名鑑(山神社の項目)には以下の記載が。

境内社の「お福稲荷社」霊験たかく多数の信者が崇敬する

出典:愛知県神社庁(1992).愛知縣神社名鑑

さらに由緒書きによると、昭和初期には芸者たちが大須や伏見・浅間町・赤塚といった繁華街からタクシー(円タク)で乗り付け、大変な賑わいを見せていたそうです。

ぼく(なごやっくす)
盛り上がり的には、今で言うお千代保稲荷(岐阜県海津市)の月末みたいなイメージなのかな

お福市場(山神社・お福稲荷そば)

神社の隣には”お福市場”もありました。第二次大戦後に出店した大型複合店舗で、季節ごとの大売り出しにはココも大変な賑わいを見せていたとのこと。

お福稲荷(名古屋市北区)奥之院

奥の院にもお参りしました。カラスが「カーカー」ではなく、なぜか、

カラス
グルルルルル… グルルルル…

と、唸るように鳴いており、独特な雰囲気だった…。

おもかる石(お福稲荷)

そして稲荷神社らしく、宝珠をモチーフにしたと思われる”おもかる石”の姿も。挑戦したところ、ありがたいことに軽く感じました。願いを叶えるために日々精進!

ぼく(なごやっくす)
名古屋周辺で”おもかる石”があった神社やお寺を、以下の記事にまとめてあります。神社仏閣巡りの計画を立てる際の参考にどうぞ

引き続き、三社のうち最も古くから存在する”山神社”の紹介に移ります。

山神社:安井城の鬼門守護神として勧請奉斎

御山神社(名古屋市北区)

■ 山神社

  • 御祭神:おおやまつみのかみ
  • 例祭日:11月7日

山の中心に鎮座しているのが山神社。浅野ながかつが天正年間(1573~91)に安井城を築城した際、鬼門守護神として大山祇神社(愛媛県今治市大三島)から勧請奉斎したと伝えられています。

山神社・お福稲荷・白龍社(名古屋市北区)石碑

愛知縣神社名鑑や愛知県神社庁のサイトでの表記は”山神社”。ですが、由緒書きや境内の石碑には”御山神社”とあります。由緒書きを参考にすると…

  • 大山祇神が祭神だが、大山は畏れ多い
  • “お”を外して”小山神社or山神社”と命名
  • 尊敬・畏敬の念を込め”御山神社”とした

こんな流れで、御山神社と呼ばれるようになったのではないかと。簡単な由緒を以下にまとめておきますね。

【参考】山神社の由緒(歴史)

  • 天正年間(1573-91):浅野長勝が安井城の鬼門守護神として勧請奉斎
  • 明治6年:据置公許
  • 昭和20年5月:空襲により被災

※愛知縣神社名鑑をもとに作成

ぼく(なごやっくす)
当時、山神社の近くには神戸製鋼や大隈鉄工などの軍需産業関連の工場や、興和紡績・野々垣毛織・渡辺毛織・御幸毛織などの繊維関連工場などが多く、空襲の攻撃対象になってしまったそう

山神社(名古屋市北区)の回せる石

祠の横にはこんな回せる石も。成田山萬福院(中区)やチャンバリン(守山区)にもあった、マニ車(摩尼車)の一種かな?

■ 鬼門守護に”大山祇神”が選ばれたのはなぜ?

大山祇神社(愛媛県今治市大三島)拝殿

大山祇神社(愛媛県今治市)の拝殿。国の重要文化財です

由緒書きによると、鎌倉時代の元寇の際、瀬戸内海の水軍・こうみちありが大活躍。

その河野家の氏神である”大山祇神”がいくさの神・一族繁栄の象徴として崇められたことから、安井城の守り神として祭祀されたのではと推測されています。

白竜社:池宮神社(静岡県御前崎市)から勧請か

白龍社(名古屋市北区)

■ 白龍社

  • 御祭神:おりめのかみ

最後は白龍社。三社とも多くの奉納幟が立てられていたのが印象的でした。由緒書きをもとに、白龍社の創建について僕なりにまとめてみました。

  • 昭和4年:区画整理のため、山を削る工事が始まる
  • そんな中、山から白い蛇が出てくる
  • 工事従事者が蛇を殺したところ、うなされ続けて亡くなってしまう
  • その後も近くの子供が高熱を出して亡くなるなどした→白蛇の祟り?
  • 昭和7年:池宮神社(御前崎)から龍神を拝受し祀る

稲置街道散策まっぷ(北区役所まちづくり推進室)

ちなみに山神社・お福稲荷・白龍社のすぐそばには、江戸時代に整備された名古屋城~犬山城間を結ぶ”いな街道”が通っています。

図書館で借りた、稲置街道散策まっぷ(上の写真)には、お福稲荷についてのこんな記載も。

街道左手にあり、かつては矢田川のすぐ手前にあった。『尾張徇行記』に「山神社東西10間(約30m)、南北5間(約15m)年貢地」とあり、古くから山の神を祀ったお宮である。

出典:北区役所まちづくり推進室(2008).稲置街道散策まっぷ -名古屋城から犬山城-

以前はもっと北に鎮座していた…と思いきや、今昔マップで確認すると、どうやら昔は庄内用水のすぐ北あたりにも矢田川が流れていたようですね。

ぼく(なごやっくす)
余談ですが、”稲置街道散策まっぷ”は想像以上に薄い&細い書籍で、探すのが大変だった。職員さんと一緒に10分ほどかけて捜索しました(笑)

山神社・お福稲荷社のアクセス・駐車場など

■ 山神社・お福稲荷社

・住所:愛知県名古屋市北区安井1-7

・アクセス:上飯田駅(地下鉄上飯田線名鉄小牧線)から徒歩20分
・駐車場:あり

山神社・お福稲荷社(名古屋市北区)駐車場

鳥居の前に広々とした駐車スペースが。ただし手前は”お福寿司”の専用駐車場かも。不安な場合は社務所で確認するのが確実だと思われます。


参拝しようと思ったきっかけは、別小江神社の近くだった&”お福稲荷”というネーミングに惹かれた(おかめやおたふくの顔を思い出します)という些細な点から。

しかし、いざお参りしてみると、迷路のような参道をはじめ、心動かされる見どころが沢山で充実の時間を過ごすことができました。

ぼく(なごやっくす)
社務所の方にも丁寧に対応していただきました。この場を借りて改めてお礼申し上げます

伊奴神社(名古屋市西区)の御朱印・御朱印帳・犬おみくじ

お福稲荷のあとは、カーマ城北店のスガキヤでラーメンを食べたあと、安産祈願で有名な伊奴神社いぬじんじゃへ。ふりがな付きの珍しい御朱印を授かりましたよ。

■ その他お福稲荷の近くで御朱印を頂けた神社

別小江神社(名古屋市北区)の御朱印(通常と限定)

別小江神社で授かった御朱印の一部

※神社の名前をタップすると、サイト内の御朱印記事に飛びます