なごやっくす(Twitter@goshuin_dash)です。
この日は犬山駅周辺で御朱印巡り。
犬山遊園駅スグ近くの輝東寺に参拝した後、坂を登るようにして辿り着いたのが、今回紹介する青龍山瑞泉寺です。
総門。犬山城の内田門を移築したモノだそう(参考:犬山七福めぐり御朱印帳)
なんでも、お寺の近くの泉(池)から龍が出て、青光を放ちながら天に昇ったという逸話から、山号を「青龍」、寺号を「瑞泉」としたそうですよ(書籍「瑞泉寺史」より)。
ご覧のとおり、境内は枯山水のように美しく整えられており、お参りする僕の心もスーッと整っていく感覚を覚えました。
個人的にお寺にお参りするのって、神社より緊張するんです。お寺の方にもハキハキと対応いただき、本当に気持ち良かった!
この記事には、
- 瑞泉寺の御朱印
- 御朱印のもらい方(時間など)
- 境内の様子(見どころ)
といった情報をまとめておきますね。まずは瑞泉寺で授かった二体の御朱印から紹介します。
目次(もくじ)
瑞泉寺(犬山市)の御朱印【2種類+1】
南無虚空蔵菩薩の御朱印
瑞泉寺のご本尊・虚空蔵菩薩の御朱印です。
墨書きは以下の3要素。
- [右]奉拝&参拝日(令和元年七月五日)
- [中央]南無虚空蔵菩薩
- [左下]古本山 瑞泉寺
南無は敬礼の意を表す語。虚空蔵菩薩は、万物を育むとともに調和をもたらしてくれる仏様です
そして、印影(朱印を押した跡)は以下の3要素でよろしいかと。
- [上]仏法僧法(佛灋僧寶・三宝印)
- [中央]寺紋
- [左下]瑞泉寺印
さて、中央の寺紋の印影。
賽銭箱などに同じ紋様があったので、寺紋であることはまず間違いないと思うのですが、何を表しているんだろう。
中央は臨済宗妙心寺派の大本山妙心寺(京都市右京区)の寺紋と同じ菊菱紋に見えますが、まわりの植物(?)が何なのか気になります。
コメント欄で青龍山の山号のとおり「龍」を表していると教えていただきました! 大変ありがたいです
古本山瑞泉寺の御朱印
古本山瑞泉寺の御朱印です。
印影は先ほどと同じ3要素。墨書きは以下のとおりです。
- [右]奉拝&参拝日
- [中央]古本山 瑞泉寺
- [左下]尾張犬山
「古本山」とあるのは、大本山の妙心寺が一時取り潰しとなった際、瑞泉寺が一派の本山(仮本山)であるかのような様相を呈した歴史から来ているのだと思われます。
イヌマキ。寺の創建当時からある最古の木と伝わるそう(現地掲示より)
- 応永22年(1415年):日峰宗舜禅師によって開創
- 文明年中までの間、妙心寺派の本山であるかの様相を呈す
(応永6年(1399年)の応永の乱[大内の乱]で妙心寺が取り潰しとなったため) - 本派四流の祖となる景川宗隆・悟渓宗頓・特芳禅傑・東陽英朝などの高僧に引き継がれ、隆盛を極める
なお景川宗隆は龍泉院、悟渓宗頓は臥龍寺、特芳禅傑は輝東寺、東陽英朝は臨渓院(すべて瑞泉寺の塔頭)の開祖です
- 永禄8年(1565年)2月22日:織田信長による犬山城落城の際、瑞泉寺も兵火で全焼
- 信長(元亀2年6月20日)や豊臣秀吉から朱印状を得て再興
- 寛永2年ごろ~:寺院の荒廃が進み、4塔頭(龍泉・輝東・臥龍・臨渓)の重僧によりかろうじて現状が維持される
- 寛文元年(1661年)9月26日:第129世住職・北禅禅秀により入寺式再興
- 寛文7年(1667年)~:ふたたび展待料のみの輪住に戻り、塔頭僧による管理運営の時代が200余年続く
瑞泉寺史から読み取るに、住職になってもお金(展待料)を納めるのみで、お寺(瑞泉寺)には住まなかったというコトかな
- 元治元年(1864年):第333世住職・雪潭紹璞が従来の風習を破り入寺開堂式に臨む
- 明治7年:泰法祖道(尾関泰法)が独住第1世(第345世)住職として晋山
- 明治20年:西向きだった本堂を南向きに立て直す工事が行われる
参考:瑞泉寺史(横山住雄著,思文閣出版)、犬山七福めぐりの御朱印帳
由緒に出てきた「塔頭(たっちゅう)」について簡単に補足しておきますね。
【補足】塔頭寺院とは?
瑞泉寺の塔頭寺院の1つ、龍泉院
塔頭とは、一山内にある小寺院のこと(広辞苑より)。
また妙心寺の公式サイトによると、塔頭は元来は高僧の墓のことで、その近くに小庵を建てて弟子たちがお墓を守っていたのだとか。
その後、年月を経るとともに増加した小庵が、寺として独立して(おもに明治以降)今のようなカタチになったそうです。
現存する瑞泉寺の塔頭を、以下にまとめておきますね
輝東寺の御朱印
※カッコ内は以前の名前。書籍「瑞泉寺史」をもとに作成
なお輝東寺で頂いた「史と詩の町から(犬山名所協会発行,2005)」には、“明治以降これら五ヶ寺は本山の京都妙心寺直末(じきまつ)となっている”との記載もあります
青龍山妙心寺派瑞泉寺(愛知県犬山市)とその塔頭寺院(読み方は"たっちゅう")で御朱印めぐりをしたので、授かった御朱印をこの記事にまとめておきます。
犬山七福めぐりの御朱印
瑞泉寺では、犬山七福めぐりの御朱印も頂きました。
朱印代は200円。
専用の御朱印帳に御朱印&ご利益印を受けながら、7か所の神社仏閣をまわる企画です。
御朱印と一緒に頂ける、瑞泉寺のご利益印は「仏法僧」。
仏法僧とはそれぞれ以下を表します。
瑞泉寺のご利益印が仏法僧、すなわち「よき師・よき法(教え)・よき友」に出会うキッカケになるかもしれない。
そんなありがたい気持ちでご利益印を授かりました。
なお、犬山七福めぐりで授かったすべての御朱印&ご利益印は、以下の記事にまとめてあります。
犬山駅&犬山城周辺で七福巡りを楽しんできました。7か所の寺社で頂いた御朱印・ご利益印や、印象に残っているポイントを記事にまとめておきます。
ちなみに、上は瑞泉寺の鐘楼。
犬山七福めぐりの御朱印帳には、“(屋根下の)三猿は左甚五郎の作と伝えられる”との記載がありました。
鐘楼の建立年代については、七福めぐり御朱印帳には、明応3年(1494年)建立とありますが、書籍「瑞泉寺史」には”享保16年(1731年)に洲原神社(岐阜県美濃市)から移築”とあります
瑞泉寺(犬山市)での御朱印の頂き方
御朱印の受付場所
本堂(方丈)
瑞泉寺の御朱印は、本堂(方丈)右の庫裡でお願いしました。
玄関前に吊るされている木の板を、備え付けの木槌で叩いて来訪を知らせるという珍しいスタイルでしたよ。
泥江縣神社(名古屋市中区)に、小槌で木の魚をトントン叩いてから願い事をする”蛭子社(つんぼ蛭子)”があったのを思い出しました
ちなみに玄関には「拝観謝絶」の札が出ていましたので、お参りは本堂の縁側に置いてある賽銭箱の前から。
賽銭箱は昭和17年のモノとのことです(瑞泉寺史より)。
御朱印代(値段)
裏門らしき建造物。七福めぐりの御朱印帳によると、こちらは兼山城(美濃金山城とも)の大手門を移築したそう
- 南無虚空蔵菩薩:500円
- 古本山瑞泉寺:300円
- (七福めぐり:200円)
瑞泉寺の御朱印代は上にあげたとおり。
僕は上の御朱印を一体ずつ授かったのでちょうど1000円を納めました。
瑞泉寺の最寄り駅・名鉄犬山遊園駅
なお、お参り前に小銭を作りたい(お札を崩したい)場合、最寄り駅~瑞泉寺の間にコンビニや自動販売機は見当たりませんでした。ですので、
- 犬山遊園駅ホームの自販機で飲み物を買う
- 帰りの切符(きっぷ)を現金で先に買う
- 犬山成田山に先にお参りする(境内に自販機あり)
このあたりの作戦を実行するのがイイかなぁと思います。ご参考までに。
御朱印の受付時間は?
境内の観音像
犬山七福めぐりの御朱印帳に、御朱印の受付時間に関する以下の記載があります。
御朱印受付時間:午前9時~午後3時
出典:犬山七福神めぐり御朱印帳
ということで、通常の御朱印を受けたい場合も午前9時から午後3時をめやすにお参りされるのがよろしいかと。
参考までに、僕は平日の午後2時過ぎにお参りしました。
お寺の方がとても若々しく、ハキハキと対応してくださったのが印象的でしたね。
ちなみに、上の写真は瑞泉寺の山門(中門)ですが、左の木札が「瑞泉寺専門道場」と読めるように(木札にあるのは”専”の異字体かな?)、どうやら瑞泉寺は臨済宗の尼僧の修行道場にもなっているようです。
もしかしたら応対してくださったのも、修行に打ち込まれている方だったのかもしれません
また右の木札に見える「四部録」とは、鎌倉末期~室町の頃に、五山の僧が…
- 三祖大師信心銘
- 永嘉真覚大師証道歌
- 住鼎州梁山廓庵和尚十牛図
- 坐禅儀
これら四種を一書として刊行したモノだそうですよ。
>>[参考]花園大学国際禅学研究所 禅籍データベース瑞泉寺(犬山市)のアクセス
- 住所:愛知県犬山市犬山字瑞泉寺7
- 電話:0568-61-0243
- アクセス:犬山遊園駅(名鉄犬山線)東改札口から徒歩2分
犬山遊園駅には、ミュースカイや特急など全ての電車が停車します。名古屋駅やセントレアから1本(乗り換えなし)で行けてありがたい!
瑞泉寺の駐車場は?
名鉄協商パーキング犬山遊園駅
瑞泉寺に駐車場は見当たりませんでした。
犬山遊園駅東口前に、上のコインパーキング(駐車料金60分200円)がありましたので、ココに停めて、瑞泉寺&塔頭巡りを楽しむのもよさそうです。
瑞泉寺史によると、昔は犬山遊園駅一帯に、各務原へ移転する前の「妙喜庵」と「黄梅院」という、二つの塔頭寺院があったそうです
まとめ
僧堂(禅堂)
最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事の要点をまとめました。
- 瑞泉寺では2種類の御朱印の御朱印を頂いた
- 「犬山七福神めぐり」の御朱印も拝受した
- 時間は午前9時から午後3時をめやすに
尾張名所図会(国立国会図書館デジタルコレクションより)
おまけ!尾張名所図会に描かれた、犬山寂光院の座禅石です。
瑞泉寺を開創した日峰宗舜は、ココで座禅修行をしていたそうですよ。
犬山城の御朱印(御城印)
さて、瑞泉寺を後にして、次に向かったのは犬山城(いぬやまじょう)。
令和への改元に合わせて頒布が始まった、ステキな御城印を頂きました。
以下から次の記事へとお進みください。
次の記事はこちら【犬山城】
国宝犬山城で御朱印(御城印)を頂いてきたので、もらい方(場所・料金・時間)とともに記事にまとめました。令和への改元に合わせて頒布が始まりました。
瑞泉寺(犬山市)周辺の御朱印寺社
- >>犬山成田山(徒歩5分・御朱印帳&弘法堂の御朱印も授かりました)
- >>針綱神社(徒歩12分・車山が見ものの犬山祭はココの祭礼)
- >>三光稲荷神社(同上・ハートの絵馬で有名。猿田彦神社の御朱印も拝受)
- >>桃太郎神社(車で6分・桃型鳥居と桃太郎たちのコンクリート像は必見)
尾張エリアの御朱印一覧
愛知県尾張エリアの御朱印を市町村別に紹介しています。御朱印巡りにご活用いただければ幸いです。
瑞泉寺の御朱印の印ですが、あれは龍を表しています。
青龍山の山号のとおりです。
匿名さま
教えていただき、誠にありがとうございます。
記事を加筆修正させていただきました。