栗栖神社(愛知県犬山市)にお参りしてきました!

栗栖神社(愛知県犬山市)

というのも先日、同じ犬山市の桃太郎神社にお参りした際、由緒に以下のような記述が。

神社から五百メートルほどの奥の桃山は桃太郎が最後に姿をかくしたところと伝えられ、太古からこの山をご神体として仰いできた。その麓にある磐座いわくら祭祀さいしが行われた場所である。

出典:犬山桃太郎神社解説之図

そして何を隠そう栗栖神社は、桃山の麓に鎮座しているんです

※桃太郎神社にお参りしたときのことは、以下の記事にまとめてあります

桃山(桃太郎が姿を隠したとされる山)

遠目から見た桃山(中央左)。ちなみに栗栖神社はもともと今の場所と桃太郎神社のあいだにあったようです

この記事には、栗栖神社の境内の様子やご祭神・由緒などの情報をまとめておきますね。まずは栗栖神社の拝殿と本殿から紹介します。


栗栖神社(犬山市)の拝殿は舞殿形式でした

栗栖神社(愛知県犬山市)拝殿(舞殿形式)

栗栖神社の拝殿は、上の写真のとおり舞殿形式。現地の由緒書きに以下の記載がありましたので、ココで神楽が行われるのでは。見てみたいな。

神楽、神楽囃子は、昭和54年設立の保存会により継承しています。

出典:現地掲示(ミラマチ栗栖による立札)

栗栖神社(愛知県犬山市)拝殿

こんな感じで賽銭箱が設置されておりました。奥に見える階段をのぼったところに、幣殿と本殿があります。のぼってみましょう。

栗栖神社(愛知県犬山市)本殿に向かう階段

かなり急な階段でした。それでも手すりが設置されているのはありがたいですね。

栗栖神社(愛知県犬山市)本殿・幣殿

こちらが本殿・幣殿。幣殿前のスペースがそれほど広くないため、アップの写真となっております。賽銭箱が置かれていたので、ココからお参りしました。

愛知縣神社名鑑に以下の記載があったので、大きく見えているのが幣殿、奥に小さく見えているのが本殿でよろしいかと。

社殿
本殿 流造 一・〇〇坪、幣殿 八・二五坪

出典:愛知縣神社名鑑(愛知県神社庁,1992,P235)

ぼく(なごやっくす)
引き続き、栗栖神社の御祭神とご利益を紹介します

栗栖神社(犬山市)の御祭神:宇麻志麻知命

栗栖神社(愛知県犬山市)標柱と鳥居

標柱には村社の文字が。なお鳥居は奥に見える一基のみ、手水舎は設置されていなかったと記憶しています

■ 栗栖神社の御祭神

  • 宇麻志麻知命(うましまじのみこと)
    物部連もののべのむらじ穂積臣ほづみのおみたちの祖

栗栖神社の御祭神は宇麻志麻知命うましまじのみこと

神社検定公式テキスト「神話のおへそ」によると、宇麻志麻知命は邇芸速日命にぎはやひのみこと登美毘古とみびこの妹・登美夜毘売とみやびめめとって生まれた神様とのことです。

ぼく(なごやっくす)
ウマシマジを祀る神社で印象に残っているのは物部神社(名古屋市東区)かな。お参りしたときの様子は以下の記事にまとめてあります

栗栖神社のご利益は?

栗栖神社(愛知県犬山市)社務所

社務所だと思われる建物。人の気配はありませんでした

現地の掲示などに、ご利益(御神徳)に関するめぼしい記載は見当たりません

そこで、ウマシマジを祀る有名な神社・石見国一宮の物部神社(島根県大田市)の公式サイトを見てみると、以下の記載がありました。

石見一宮物部神社は、古来より文部両道の神・鎮魂の神・勝運の神として崇敬されてきました。

出典:物部神社とは|石見国一宮 物部神社

ということで、僕は仕事と筋トレの両方で成果を出せるようにお祈りしました(文武両道のご利益)。あとは自分の努力次第。がんばるぞ!

桃山の麓にあるということで、登山・アウトドア用品通販サイト「好日山荘」の広告を挟んで、神社の由緒の説明に移りますね。

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栗栖神社(犬山市)の由緒:標柱には”式内”の文字も

栗栖神社(犬山市)標柱(式内)

青丸で囲ったところに「式内」の文字がありました

栗栖神社の創建は明らかでないとのこと。また神社の標柱には「式内」の文字がありましたが、延喜式神名帳にそれらしき名前も見当たらず。

ぼく(なごやっくす)
あえて言うなら、丹羽郡の項にある「削栗神社」がソレに近いのかな。あえてね

ただし愛知縣神社名鑑には、栗栖神社の由緒に関して以下のような記載も。

  • 「本国帳」に正四位栗栖地神とある
  • 三代実録」に貞観16甲午年(874年)2月23日尾張国正六位上栗栖神に従五位下を授くとある
  • 姓氏録」に栗栖連は饒速日命の子宇麻志麻知命の後裔とある

三代実録は延喜元年(901年)成立の”日本三代実録”、姓氏録は弘仁6年(815年)編纂の”新撰姓氏録”のことを指しているのでは。

栗栖神社(愛知県犬山市)狛犬(本殿前)

本殿前の狛犬。(とくに左の狛犬から)歴史を感じます

コレをふまえると、栗栖神社が式内社に負けず劣らずの歴史を持っていても不思議ではないと思われます(延喜式は927年完成)。

【要約版】栗栖神社の由緒(歴史)

忠魂碑・英霊塔(犬山栗栖神社)

境内に建っていた「忠魂碑」と「英霊塔」

  • 明和2年(1765年)以前から「当元制度」を継承とのこと(現在は簡素化)
  • 明治4年10月:神社制度改定に際し、旧犬山藩により栗栖神社となる
  • 大正5年12月3日:妻宮社(宇野口369)、神明社(大平841・同851)の三社を境内社に合祀
ぼく(なごやっくす)
アンダーラインを引いた部分(三社)が、次の章の境内社に関係してきます
  • 大正10年9月20日:供進指定を受ける
  • 大正12年1月:現在地に遷座

参考:現地掲示、愛知縣神社名鑑(愛知県神社庁,1992)

最後に、栗栖神社の境内社(画像3枚)を紹介して記事を締めますね。

【画像3枚】栗栖神社(犬山市)の境内社

栗栖神社(愛知県犬山市)境内社(秋葉社・琴平社・神明社・津島社)

1枚目。拝殿(舞殿)の左奥に並んでいました。左から秋葉社・琴平社・神明社・津島社です。

先ほどの由緒(桃色のアンダーライン部分)に登場した神明社二社が、右から2番目の社殿に祀られているのでしょうか。

栗栖神社(愛知県犬山市)境内社(稲荷社)

2枚目は稲荷社。本殿左の階段を降りたところにあります。雨上がりだったからか、足元がメチャメチャ滑りました(転ぶ寸前だった…)。お参りする際はご注意を。

なお、2月の初午日には初午祭も行われるとのこと。栗栖神社の主なお祭りを以下にまとめておきますね。

【参考】栗栖神社のおもなお祭りなど

スギ(犬山栗栖神社境内)

境内の巨木・スギ。木右側の階段からも稲荷社に行けます

  • 新年祭:1月上旬
  • 左義長:1月14日
  • ★初午祭:2月初午の日
  • ★神社大祭:4月第2土曜日曜
ぼく(なごやっくす)
愛知縣神社名鑑に記載の例祭日は4月12日です
  • 天王祭:7月15日
  • ★琴平祭:10月10日
  • ★秋葉祭:11月16日
  • 新嘗祭:12月上旬

※★の付いた祭礼は餅投げあり、現地掲示をもとに作成

栗栖神社(愛知県犬山市)境内社(妻宮社?)

最後3枚目はスギの左に建っていた社殿(祠)。名前が見当たりませんでしたが、先ほどの由緒にあった「妻宮社」だと考えるのが自然でしょうか。

ぼく(なごやっくす)
しかし「妻宮社」という名前は初めて聞きました。美夜受比売(ミヤズヒメ)でも祀っているのかな(適当)

栗栖神社(愛知県犬山市)の境内の様子(鳥居・神輿庫・狛犬・山神)

おまけ!ココまでに載せきれなかった栗栖神社の境内の様子(4つ)です。それぞれ以下のとおり。

  • [左上]鳥居
    しっかり載せていなかったので改めて
  • [右上]神輿庫(?)
    御神輿が格納されていそうな建物。気になります
  • [左下]狛犬(階段前)
    こちらは階段前(拝殿奥)にあった狛犬。先ほどと同じ”子取り&玉取り”
  • [右下]山神
    少し奥に入った所にあった山神様。冒頭の「桃太郎が桃山に隠れた→山をご神体とした」理論でいくと、コレが桃太郎でもおかしくない気が

さいごに:栗栖神社(犬山市)の基本情報など

■ 栗栖神社(くりすじんじゃ)

・住所:愛知県犬山市大字栗栖字大平840

・アクセス

・駐車場:なし


ちなみに木曽川沿いの道から可児に抜けることはできず、栗栖神社から少し行ったところで行き止まり。

ぼく(なごやっくす)
そんな場所にありながらも、神聖な場を保ち続けてくださっている地元の方達に感謝です

桃太郎神社(愛知県犬山市)の御朱印

桃太郎神社の御朱印記事へのリンクをもう一度のせておきますね。今度桃太郎神社にお参りした際には栗栖神社のことも聞いてみようかな。

■ そのほか栗栖神社の近くで御朱印を頂けたお寺や史跡

犬山寂光院の御朱印(千手大悲殿)

  • 犬山寂光院(車で5分・別名もみじでら。三体の御朱印と御朱印帳を授かりました)
  • 瑞泉寺(車で8分・臨済宗妙心寺派の古本山)
  • 犬山成田山(車で8分・本堂裏には大仏も)
  • 犬山城(車で11分・令和元年から御城印の頒布がスタート)

※お寺や史跡の名前をタップするとサイト内の御朱印記事に飛びます

■ 御朱印巡りモデルコース

犬山御朱印巡りおすすめモデルコース

【犬山編】御朱印巡りおすすめモデルコースを作ったよ【マップあり】