白鬚神社(豊田市小坂町)にお参りしてきました。愛知県神社庁のサイトでは白鬚社、グーグルマップでは白髭神社と表記されています。
挙母神社をはじめとする、このあたりの地域独特の拝殿様式を自分の目で確かめようと、豊田市駅周辺の神社を巡っているときに見つけたのがこちらの白鬚神社。
この記事では白鬚神社の御祭神や由緒、そして境内の様子を紹介していきますね。非常にコンパクトな境内だったので、2分程度でサクッと読んでいただけるかと!
白鬚神社の御祭神:猿田彦命(さるたひこのみこと)
白鬚神社の御祭神は猿田彦命。日本神話で天から降りてきた神様の先導役を務めたことから「導き・道開き/交通安全」などのご利益で知られる神様です。
- (進学や就職などの)進路を決めかねている…
- 人生に行き詰まり感を覚えている…
- 運転免許を取り立てホヤホヤ!
といった場合は、この白鬚神社などの猿田彦命が祀られている神社にお参りするとイイかもしれませんね。
白鬚神社の由緒:慶長七年(1602年)に勧請される
境内の立札から由緒の部分を引用してみました。慶長七年というのは安土桃山時代から江戸時代へと時代が変わる前年にあたります。
慶長六年(1601年)に神社前の道が開かれ、時の城主熊谷大善亮重長により慶長七年三月二十六日に勧請したといわれています。
それにしてもシンプルですね。もう少し掘り下げてみようと、豊田市中央図書館で「豊田市史」に目を通してみました。僕なりにまとめたものが以下になります。
- 熊谷大善亮重長は挙母城主だった
- 当時の小坂町は道路状況が悪かったため、重長が道路の改修に着手
- 慶長六年(1601年)11月に工事完了
- 翌年に道路工事の完成を祈念して、近江国滋賀郡小松郷から白鬚神社を勧請
参考:豊田市史 人物編(豊田市教育委員会)P162,224
黄色い下線部が気になりますね。「祈念=願いが叶うように祈ること」ですので、道路が完成してから祈念するのは順番が逆な気がしますが。
ちなみに”近江国滋賀郡小松郷”には白鬚神社の総本宮があります(今の住所は滋賀県高島市鵜川)。ココから勧請したと考えて良さそうですね。
白鬚神社には松尾芭蕉の句碑もあったよ
白鬚神社の境内には松尾芭蕉の句碑もありました。境内の立札によると、石に刻まれているのは以下の歌。
郭公 まねくか麦の むら尾花
そして、芭蕉全句集 現代語訳付き(角川ソフィア文庫・上の写真)から現代語訳を引用したものが以下になります。
麦の穂が群尾花のように風になびくのは時鳥を招いているのか。
※時鳥=ほととぎす,むら尾花=群生する薄(すすき)の花穂
豊田市のサイトによると、この句は芭蕉が44歳(1687年)の時、鳴海の宿から渥美半島に旅した時の名句の一つと言い伝えられているそう。
昔は、麦が小坂町あたりにも自生していたのでしょうか。この歌が選ばれた経緯が気になりますね。
白鬚神社のアクセス・駐車場など
■ 白鬚神社(しらひげじんじゃ)
・住所:愛知県豊田市小坂町8-61
・アクセス:豊田市駅(名鉄)から徒歩15分
(新豊田駅[愛知環状鉄道]から徒歩12分)
※グーグルマップだと県道520号線沿いにあるように見えますが、1本南(細い一方通行の道路)に面していました
・駐車場:なし
参考までに、新豊田駅のすぐ西に豊田市フリーパーキング加盟の”豊田産業文化センター駐車場”があります。
冒頭にも書いたとおり白鬚神社は非常にコンパクトな境内で、かつ、わずか100mほど東には小坂神明社もあります。
それでも合祀などされることなく、場が大切に守られ続けているのは嬉しいですね。ほっこりするお参りとなりました。
白鬚神社のあとは日を改めて、藤森神明社(名古屋市名東区・上の写真)にお参りしましたよ。東名高速道路沿いに鎮座する神社です。
■ 白鬚神社の近くで御朱印を頂けた神社仏閣
- 挙母神社(徒歩20分・楠[豊田市指定天然記念物]の迫力もスゴかった)
- 満福寺(車で20分・ギネス認定の大提灯まつりで有名)
※隣接した三好稲荷閣でも御朱印を授かれます - 岩津天満宮(車で30分・黒基調の御朱印帳がかっこいい)
※神社やお寺の名前をタップすると、それぞれの御朱印記事に飛びます
豊田市駅や新豊田駅から徒歩圏内の神社を一覧にしてまとめました。御朱印を頂ける神社もあります。地図も載せていますので、合わせてご活用ください。
御朱印とは何か?初心者の方に向けて、もらい方の流れを含め、分かりやすくまとめています。